93.素朴な味わいのあやめだんごで濃い茶を一服。

cafegent2008-02-27

 以前、目黒通りを大鳥神社から清水の方へ歩いて行くと銭湯「松の湯」隣の角地に「あやめだんご 寿々屋」が在った。都市開発の為、近隣の店を含めて辺り一帯が立ち退きになり、閉店したのだった。僕は此処のだんごが大好きだったので、閉じたシャッターに貼られた紙に記された「いつの日か目黒の地で再度開店出来ればと思っております。」に一人涙した。
 「寿々屋」は気さくなオバちゃんたちが二人で切り盛りしていて、夕方などに行くと時々だんごをおまけしてくれたりした。「あやめだんご」の暖簾と一緒に赤い「たいやき」の暖簾も並んで掛かっている。ここは鯛焼きを待つ客も多いのだが、断然だんごが美味しい。中でも胡桃餡と胡麻餡のだんごが良い。渋めのお茶を入れて、これを喰う。一家団欒のひとときが更に和む訳である。
 ここのだんごはまん丸の餅ではなく、平たい円柱型の餅だ。上が平なので、餡もたっぷりと乗る。そして、「ウチはこの餅も自慢だからねぇ。」と云うオバちゃんの言葉通り、もっちりした食感の餅は素晴らしい。上新粉を使わず、米を搗(つ)いて餅を作るところが「あやめだんご」独自の製法だそうだ。それを延ばし「糸切り」する事でこの円柱型になるって訳だ。なんでも江戸の頃からの仕事だそうだ。
 昨年11月に閉店してガッカリしていた処へ、友人から吉報が届いた。なんと「あやめだんご 寿々屋」が復活したのだった。しかも以前と同じ目黒通り、揚げ饅頭でお馴染み「御門屋」本店の並びである。馴染み深い紫色のテントも復活だ。だんごは全部で6種類。緑色鮮やかな「ずんだ」、「小豆餡」、醤油の「甘から」、「ごま餡」に「くるみ餡」、生醤油で焼いた「焼きだんご」、あぁどれもハズせない味わいだ。
あやめだんご 寿々屋 目黒区中町1-25-19
03-3716-6461