2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

43.まったりと酒を飲みたい時はフラスクが程良い止まり木になる。

西麻布から広尾方面に向かい、日赤医療センター下のバス停の前に和食の名店「分とく山」が在る。この前の信号を渡り、細い坂道を登り住宅街の方へ進み角を折れると半地下になった処に明かりが灯っている。洒落た絵が架かっている隠れ家の様な小さな店がバー…

42.紅葉見物の後は、ほんのり甘い志る幸の白味噌汁でほっこりしたい

今年はどこも紅葉の時期が例年より遅く、京都も今がちょうど見頃を迎えている。清水寺や高台寺も素晴らしいが、何といっても東福寺の上を渡る回廊「通天橋」から見下ろす紅葉は見事としか言いようが無い。赤い雲の絨毯と云った趣きだ。紅葉を愛でたあとは、…

41.たまに食べたくなるジャンキーな目黒かつ壱のソースかつ丼。

目黒にはとんかつ屋が多い。先ずは、永く続いている名店「とんき」の存在が大きい。昔ながらの味を守りぬいている店だが、どんなに混んでいても後ろの椅子に座って待つお客さんの注文した内容を覚えているおじさんが居る凄い店でもある。時々、ここのロース…

40.寒い季節の到来。ばんのとんび豆腐で一汗かくとしよう。

祐天寺に「もつやき ばん」と云う居酒屋が在る。以前は中目黒に在った老舗だ。当時からその店はひっきりなしに混んでおり、もつ焼以外にもメニューが豊富で、レバカツも美味しかった。座るとすぐに人参、大根、胡瓜のお新香がお通し代わりに出て来るのだがこ…

39.小石川後楽園の帰り道、エス・ワイルで深い秋を味わう。

野球のシーズンが終わっても、後楽園に足を運ぶ事が多い。小石川後楽園の秋がまことに見事だからだ。寛永6年、水戸徳川家が江戸の上屋敷の庭として造った庭園は、池を中心にした回遊式泉水庭園になっており、何処を切り取っても絵になる景観を楽しめる。琵…

38.明日は浅草鷲神社の酉の市。祈願帰りには末っ子の餃子かな。

南千住辺りから泪橋を抜けるといわゆる「ドヤ街」なるエリアに出る。その昔、漫画「明日のジョー」の中で丹下段平が矢吹丈を一人前のボクサーに育てた丹下拳闘クラブは泪橋の下に在った事になっている。今もこの辺は簡易宿舎、簡易ホテルが立ち並んでいるが…

37.円山町、ホテル街に消える前にムルギーカレーで燃えて行け。

渋谷、道玄坂を上がると「しぶや百軒店」と云うアーチが見える。今でこそ、円山町辺りは風俗店が密集しているが、関東大震災以後の復興に伴い、百貨店の様な都市空間を再現しようと計画されたのが百軒店であった。昔は置屋が並ぶ花街であり、露地を入ってい…

36.尾花で鰻を待つ。こんな「幸せな時間」は無い。

江戸時代に鰻と云えば、深川か日本橋界隈と決まっていた。嘉永元年に刊行された「江戸酒飯手引」なる綴り本には、懐石料理、日本料理併せて240軒、茶漬見世22軒、うなぎ屋90軒、鮨屋96軒、蕎麦屋120軒と出ており、江戸っ子達の間でも鰻は相当人気だった事が…

35.愛らしく素朴な打吹公園だんごは、小さいながら頑固である。

僕は兎に角、団子が好きだ。これは日本全国何処に旅に出ても必ずその土地特有の名物となるだんごに巡り会えるからである。もちろん、東京にも羽二重団子、言問団子、豆大福など名菓を造り続ける老舗も数多く残っているが、地方の素朴な団子を見つけるのは旅…

34.仕事帰りの最初の一杯は、湯島EST!でマティーニがいい。

今夏、吉祥寺「George's Bar」のオーナー・バーテンダー佐伯譲二翁が永眠した。佐伯翁は、昭和28年、進駐軍下士官用クラブのバーを皮切りに数々のバーを経て、後輩バーテンダーを育成し、1995年に自身のバーを吉祥寺に開いたのだ。銀座「クール」の古川緑郎…

33.麻布十番の散歩が終われば、浪花家で一休み。

都営大江戸線が開通し六本木ヒルズが出来てから、麻布十番への人の流れが大きく変わった。それまであの辺りは交通の便が悪く、クルマで行動していないと中々不便であった。でも、まぁそのお陰でチャラチャラした若者がたむろする事も無く風情或る大人の街を…

32.毎年、この季節になるとニューヨークの牡蛎が恋しくなる。

もうかれこれ17,8年くらいになるだろうか。秋から冬にかけて毎年ニューヨークヘ出掛ける。芝居を観に行くとか、観光をする訳でもない。セントラルパークの美しい紅葉を観て、都会の雑踏での吐息の白さと地下から沸き上がる水蒸気の白い風景を観に行くためだ。…

31.ふらり立ち寄り、旬を喰らう。これが栄寿司の醍醐味だ。

京成立石の駅を降り右に折れると大きなアーケード街と並んで小じんまりした仲見世商店街が目に入る。いろんなお惣菜屋さんが立ち並ぶ中、角地に二つの暖簾が揺れる寿司屋が在る。先代が昭和16年に向島で創業し、昭和33年現在の場所に店を構えた「栄寿司…

30.九州の風雲児なるきよは、明治の金鉱山王を越える勢いだ。

九州、別府はふぐの季節が終わると城下鰈(しろしたかれい)が良い。別府の北側、国東半島へ向かう日出(ひじ)の日出(ひじ)城の城趾(じょうし)の崖下の海で捕れるのが城下鰈(しろしたかれい)だ。ここは海底に真水が湧き出ているところがあるそうで、…

29.池波正太郎を偲び、蕎麦を喰らう。

作家、池波正太郎の生まれた浅草の生家跡に程近い待乳山(まつちやま)聖天公園に「池波正太郎生誕の地」の記念石碑が立てられた。石碑には生前に書いたエッセイの中から「生家は跡形もないが、大川(隅田川)の水と待乳山聖天宮は私の心のふるさとだ」と云…

28.立冬は、松屋のカムジャタンで体を芯から温めたい。

冬が近づいてくると鍋で体を芯から温めたいと思う事が多くなって来る。日本人ならば寄せ鍋や鮟鱇鍋といった鍋を囲む一家団欒の光景をすぐに思い描くものだ。しかし、ここ数年の韓流ブームに乗って、辛いホルモン鍋や豆腐チゲなどのお隣り韓国の名物も身近に…

27. 大黒屋の梅どらをお茶受けに、美味しく健康維持。

福島県は、映画「フラガール」でも評判になったいわき市も良いし、会津若松、郡山などの温泉なども良い。特に秋から冬にかけては、紅葉も雪景色も素晴らしいし、料理なども美味いものが多い。福島牛なども実に美味である。 甘いおやつが好きならば、郡山が誇…

26. 権ノ助坂の新しい名物は、キリリと冷えた角のハイボールだ。

目黒の大鳥神社は、昨年1200年目を迎えた。毎年11月になると「酉の市」で賑わいを見せる目黒の氏神様だ。 目黒の駅から大鳥神社方面に下る処の坂を権之助坂と云う。目黒通りガイドブックによると、江戸の中期、中目黒村田道の名主・菅沼権之助が目黒の町に新…

25. ストックのカレーは福神漬け混ぜて食べて欲しい。

JR恵比寿駅の改札を出ると大抵ロータリー側に出て、何処か店を探すことが多い。待ち合わせなども交番やえびす様像の前辺りが判り易いと云う事も或る。それでも、駅の逆側にも幾つかの店が立ち並んでいるので、そちらにも足を伸ばしてもらいたいものだ。立ち…

24. 亀戸餃子は天神様にお参りをしたご褒美である。

亀戸天神社には、50本の紅梅と150本の白梅があり、1月から少しずつ咲き始める。2月から3月にかけて催される「梅まつり」は見事に咲き誇った梅の花々が美しい。4月からは亀戸天神が誇る藤の花が華麗に咲く「藤まつり」。江戸の頃から「亀戸の五尺藤」、「…