2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

77.学校帰りに食べたミルクカステーラのチープな味が今も懐かしい。

札幌で過ごした中学生の頃、学校帰りにいつも買う駄菓子と云うか菓子パンがあった。その名も「ミルクカステーラ」と云うのだが、卵黄や蜂蜜を贅沢に使った文明堂や福砂屋のあの上品でしっとりとしたカステラとは似ても似つかない別の代物なのである。 しかし…

76.梅の開花が近づいて来た。船橋屋の元祖くず餅で遥かなる浪漫を味

亀戸の天神さまには約300本もの梅の木が境内に所狭しと植えられており、二月上旬から徐々に美しい蕾みが花開いてくる。 東風(こち)吹かば匂いおこせよ梅の花 主なしとて春をわするな これは菅原道真が太宰府への左遷直前に詠んだ歌として広く知られてい…

75.新橋西口にもサラリーマンの強い味方、洋食すいすが在る。

新橋駅から烏森口を出て、数分の処に在る「洋食すいす」は働き盛りの野郎どもに絶大の人気を博している。いかにも町の洋食らしい揚げモノ中心のメニューが揃っているが、中でもメンチカツ定食の凄いのなんの。メニューにもMサイズとLサイズと出ているのだが…

74.堀切菖蒲園の名物、のんきのボールとシロたれで日曜もほろ酔い。

堀切菖蒲園の駅から歩いても程近い商店街の中に旨いもつ焼き屋が在る。夕方五時に行くと、もう暖簾が出て赤い提灯が灯っている。焼き場を真ん中に入口は二カ所。開けるとそれぞれにカウンターが二本有る。 この界隈のもつ焼き屋や大衆酒場の殆どがそうなのだ…

73.働きマンの強い味方、ぶらじるのフライでスタミナ全開だ。

芝大門の交差点から程近い処に在る洋食屋「ぶらじる」は働くサラリーマンの強い味方なのだ。昼はとんかつ、フライ揚げ物が中心の定食屋であり、夜は居酒屋の色が濃くなる。 ここの料理はどれもボリュームが有り、揚げたてのフライも美味い。仕事帰りの我々に…

72.お伊勢参りの後は「福が貯まる」様、たまり餅で茶を一服だ。

多くの人が訪れる伊勢神宮のお伊勢参りは、江戸時代「おかげ参り」と呼ばれ、庶民たちは誰もが一度は一生に一度はお参りしたそうである。これは、「おかげさまで元気です」と云う感謝の気持ちを持ったお参りだったそうだ。 今から1300年程前、天武天皇が定め…

71.夕暮れからの新橋、ぼんそわの酒にメルシーなのだ。

夕方5時を過ぎると新橋駅周辺は人の流れが激しくなってくる。運転手を外に待たせる様な大層な連中は新橋駅を境にして銀座8丁目方向へと消えて行く。彼らは奇麗なお姐さんたちと同伴して、8時にはクラブのソファに腰を落ち着かせる。 そんな方々は別として…

70. 東京に初雪。はち巻き岡田の鮟鱇鍋で寒い冬を味わう。

銀座松屋の裏にひっそりと佇む料理屋が在る。その店の名は「はち巻き岡田」と云う。東京の和食屋の殆どが関西割烹料理に押される中、ここは頑(かたくな)に江戸小料理の味を代々受け継いでいる。 大正十二年九月一日の関東大震災は、マグニチュード7.9と云…

69.立石の関所、江戸っ子で名物ママとボールに酔う。

京成線の立石駅で降り、立石仲見世商店街と反対方向に出て「立石のんべい横丁」を過ぎた辺りに「立石の関所」と書かれたもつ焼き屋が在る。「江戸っ子」は、もつ焼き屋の名店が多いこの界隈の中では「宇ち多”」と肩を並べる程美味くて良心的な店である。 こ…

68.田丸は、子供の頃の屋台らーめんの味を味わえる数少ない店だ。

「田丸」は、創業60年以上の歴史を誇る目黒の老舗ラーメン屋である。ここは醤油、味噌、塩などの種類は無い。ラーメンとチャーシューメン、それにワンタンメンだ。スープの味は一つだけだ。 中太の縮れ麺に絡むスープは鶏と野菜から取ったダシが効いた醤油味…

67.池田屋の草加せんべいは煎餅の歴史そのものだ。

埼玉県草加市は足立区と隣接し、豊富な水に恵まれた中川、綾瀬川下流域に拓けた街だ。今から四百年ほど前、江戸幕府は千住と越ヶ谷間を最短で結ぶ新道を整備し、その間に近隣の村々からなる新しい宿を設けるよう命じた。これが草加宿の始まりである。 この時…

66.食後に痛感。「廣田の御料理、日本の誇り」だと。

「只々、美味しい料理を食べさせてあげたい。」、そんな情熱がガツンと伝わってくる料理人が大井町に居る。「廣田」のオーナーシェフ、猿渡さんだ。深夜に馴染みの酒場でエンドさんとお会いし、話がつい料理の事になると、もう止まること無く熱く語るのだ。…

65.目黒の鳥芳は、仕事帰りのひとときの憩いを焼いてくれる。

目黒の権ノ助坂を下り二股が一つになった辺りに在る焼き鳥屋「鳥芳本店」は美味い焼き鳥を安価で提供してくれる嬉しい店だ。最近、巷では鶏のいろんな部位を出す焼き鳥屋が増えてきたが、如何せん値段が高くて困る。焼き鳥食べて軽く呑んだつもりが、あれよ…

64.福呼ぶカステラを持参して、新年の挨拶廻りは如何かな。

我が家では、昔から法事の際には「空也」のもなかを用意する。そして、年始の挨拶まわりには必ず「福砂屋」の長崎カステラをお年賀に持って行く。 福砂屋の創業は寛永元年。384年前と遥か昔、日本が鎖国を開始する少し前の事である。キリシタンの布教活動と…

63.迎春、甘春堂の貝合わせで芽出たい春を合わせたい。

今年は子の年である。僕も気が付けば、あっと云う間に4度目の子年を迎えてしまった訳だが、今年はより一層めでたい一年にしたいものである。 この「めでたい」と云う言葉、何故に「めでたい」のか。新年の朝日新聞に出ていたので、紹介したい。 今から153年…