69.立石の関所、江戸っ子で名物ママとボールに酔う。

江戸っ子

 京成線の立石駅で降り、立石仲見世商店街と反対方向に出て「立石のんべい横丁」を過ぎた辺りに「立石の関所」と書かれたもつ焼き屋が在る。「江戸っ子」は、もつ焼き屋の名店が多いこの界隈の中では「宇ち多”」と肩を並べる程美味くて良心的な店である。
 ここは、「宇ち多”」のあの独特の緊張感とは真逆であり、店のほぼ全てがガラス戸の入り口なので、中を覗いて空いている席を見つけたら、一番近いサッシを開ければ良いのだ。変型凹字カウンターの中で働くお母さんたちも大変気さくで愛想が良く、思わずホッと出来る空間なのだ。
  先ずは酒を頼む訳だが、江戸っ子の名物は「ボール」である。京成線沿線には、この「下町ハイボール」を出す店が多いのだが、コチラのも個性的だ。氷無しのグラス一杯に注がれた酎ハイは炭酸が結構効いており、ドライな味。薄黄色したボールは、あの下町ハイボール独特の味わいである。
 もつ焼きは4串で280円と実に素晴らしい価格なのである。組み合わせによっては2種類2串ずつにも出来るので、気軽に店のお母さんたちに聞いてみると良い。僕の好みは、シロタレ、テッポウのニンニク辛タレがおススメだナ。また、もつ刺しも種類が豊富だが、早い時間に行かないと品切れになっている事も多い。
 さて、江戸っ子の名物はもつ焼き、ボールだけじゃない。千と千尋の湯婆婆ばりの個性派ヘアスタイルが自慢のママさんが、チャーミングで素敵なのである。
 この界隈に来る時は、廻りに沢山の名酒場が揃っているので、少し早めの時間から攻めて、ハシゴ酒に酔いしれるのが楽しい。これも大人の密かな楽しみなのである。
江戸っ子 葛飾区立石7-1-9
03-3694-9593