143.ウオキンかと思ったらウオキニだった。此処は幸せに出会えるバー

Wokini

 仲の良い飲み友達が渋谷の円山町に住んでいる。其の姐さん行きつけの酒場が百軒店の中ほどストリップの道頓堀劇場の脇を曲がった処に在る。
 暫くの間、彼女が「最近、ウオ何とかで飲んでるよ。」と云っていたので、新橋に在るような魚金(ウオキン)とか魚新(ウオシン)等の魚介系居酒屋の何処かに通っているのかと思っていた。ハテと思い、会った時に再度聞いてみても「ウオキニ」と云うので、矢張り魚居酒屋なのだろうと思っていた。
 そして、其れが円山町のバー「Wokini」だと判るまで、可成りの時間を要したのだった。「ウォキニ」とはネイティヴアメリカンの言葉で「新しい人生」、「幸せな人生」と云う意味だ。そんな素敵なネーミングの酒場を「魚嬉仁」みたいな居酒屋風に勘違いする方もする方で、我ながら馬鹿笑いをした。
 今年オープン4年目を迎えたバー「Wokini」は70年代のロックを中心にゴキゲンな音楽を肴に酒を愉しめる酒場だ。独りでカウンターに腰掛ければ、店主の黒瀧光祐君や仲間たちが気軽に話相手になってくれるし、大勢ならば後ろのテーブルで寛ぐ事が出来るから、実に居心地が良いバーなのだ。
 居心地の良さと云うモノは、インテリアがどうのとか、酒の種類が豊富だ、とか、そんな事では無いと云う事が此処に来ると実感出来るだろう。凄く温かい空気感の中で酒に酔える。
 先日、一人で飲んでいたら隣のコが道頓堀劇場に出ているストリッパーのコで、札幌の劇場から定期的に渋谷に来て踊っているそうだ。同郷のよしみで、すぐ意気投合して仕舞った。コレって或る意味、ウォキニ(幸せ)かもしれない。
Wokini 渋谷区道玄坂2-27