45.足袋の街行田を散歩したら、土産に煎屋のまめたびは如何かな。

まめたび煎餅

 利根川の近く、埼玉県行田に「水城公園」が在る。戦国時代、忍城(おしじょう)が石田三成に水攻めを受けたが落城せず、この城は水に浮くのかと恐れられたと云う言い伝えがある。戦国時代を耐え抜いた忍城は残念ながら明治維新の際に取り壊されてしまったが、今は本丸の跡地に当時の面影を偲ぶ忍城址(おしじょうし)が再建された。水城公園と共に散策されたい。また、夏の間、早朝になると行田蓮の花が咲く。この蓮は花弁数が少ない千四百年から三千年前の蓮と言われ「古代蓮」とも呼ばれている。古代蓮を含め世界中の蓮を育てている公園「ッ古代蓮の里」にも是非とも足を伸ばしてもらいたい。
 さて、行田、吹上地区は足袋の生産地として歴史が永い。「足袋の行田か、行田の足袋か」と云われるほど行田の足袋は有名だ。中でも吹上の子供用の足袋「豆足袋」は江戸時代、七五三など子供の祝いなどの祝儀に使われたそうだ。
 その可愛い豆足袋のカタチを型取りし、大谷石の焼釜で丁寧に一つ々々手焼きした煎餅が煎屋の「まめたび」である。一枚毎にタレを刷毛で塗ることで、うるち米生地の油を取り、生地の中までタレが染み込むようにしている。それを気候や火の加減によって焼き具合を見ながら手で焼いて行くそうだ。醤油味、味噌味、甘いザラメ味、七味味とバリエーションも豊富だ。僕はほんのり甘い味噌味がお茶受けに気に入っている。一枚100円と云うのも嬉しい値段だ。
 お茶受けに好い「まめたび」だが、酒好きに是非ともオススメしたいのが小指の先ほどの「チビたび」煎餅だ。醤油味とピリッと辛みの効いた黒胡椒味がある。これがビールやウィスキーに最高のアテになるのだ。こちらは、一袋380円、これで美味しい晩酌が愉しめるのだから幸せである。
煎屋 埼玉県行田市持田2462
048-554-7434