49.池袋北口の永利で観光地には無いディープ中華を堪能。

栄利の酢豚

 池袋北口はディープ・チャイナタウンだ。横浜中華街に在るような上品な中華ではない。中華街の各入口門に構えるような牌楼もなければ、華やかな中国彩色を醸し出すものも何も無い。ただ、この界隈には様々な地方の中華料理を味わう事が出来る食の穴場である。
 80年代頃から、福建省周辺の華僑がこの辺りに来始めた。池袋界隈は、都心で有りながら比較的賃料も安いので段々と多くの中国人たちが集まってきた。90年代以降、華僑たちに変わって、今度は吉林(きつりん)、黒瀧(こくりゅう)、遼寧(りょうねい)と東北三省出身者たちが移り住み出して、出身地方の地元料理の店を構えるようになったそうだ。
 中国は広大な大陸であり、地方によって全く料理の内容も味も異なっている。池袋北口界隈には中国東北料理店や中国朝鮮民族料理店などが在る。この界隈で出している料理はモンゴルや北朝鮮との国境も近く、種々雑多なものが有るが、中でも遼寧省出身の店「阿里郎」(アリラン)は、凄い。蚕の串焼きや犬肉を食べさせてくれる料理店なので、食の探究心旺盛な方にはオススメだ。
 この阿里郎の真隣りに在る「永利」は、何を食べても唸るほど美味い。まるで中国東北地方に旅行に来たのではと錯覚する程、地元なのだ。店員もお客も中国人が殆どで日本語は余り聞こえないのである。ここに来たら先ず「酢豚」だ。デッカい肉の塊が数個皿に載って来る。黒酢が効いており、肉も柔らかくほぐれ美味である。「三鮮水餃子」も美味い。だが、ここで一番人気なのが「醤太骨」(ジャンダーグー)である。どのテーブルでもこれを頼んでおり、恐竜の骨の様な残骸が山盛りになっているのだ。さぁ、これが何かは是非実際に頼んでみて欲しい。
中国家郷料理 餃子房 永利 本店 豊島区池袋1-2-6 ベルメゾン池袋
03-5951-0557