55. さくらいのエビサンド片手に落語を愉しむ。贅沢の極みなり。

エビフライサンド

 最近、再び落語人気が復活し、評判の噺家の落語会や一門会ともなるとチケットも即日完売と言うこともしばしばである。それでも、寄席などはまだ、ふらりと出掛けて空いている席に腰掛け、好きな師匠の落語や漫談などを気軽に楽しめるので、大変身近な娯楽である。
 都内には浅草 演芸ホール、新宿 末廣亭、隼町 国立演芸場、池袋 演芸場、上野 鈴本演芸場と五箇所の定席が在るのでその月の出演表を見ながら、誰の落語を聴こうか、どこの寄席に行こうか、と或れ此れと思案するのもまた愉しいひとときであろう。末廣亭は桟敷席も有り、ごろりと寝転びながら聴いている方も居る。こんな喜楽さが寄席の楽しみでもある。
 この定席の寄席の中でも上野の鈴本は寄席を見物しながら席で酒も呑めて、好きな物も食べることが出来るのである。常連客の中には着流し姿で日本酒とお猪口持参で一杯やりながら落語を聴いている御仁も居る。個々に好きな酒を呑み、自由に落語を堪能出来るのが上野鈴本の良さなのだ。
 こんなに気軽に楽しめる寄席だからこそ、ちょっと贅沢をした一品を持参して行くのも粋である。上野御徒町から春日の方へ歩いていくと瀟洒なビルの上階に「厳選洋食さくらい」なるレストランが在る。歴史ある老舗では無いが、素材も良く、上品な味わいの洋食が食べられる店だ。洋食屋の定番カニクリームコロッケやタンシチュー、ハンバーグなども何れも大変美味しい。年中無休で中休みも無し、夕方5時までランチタイムと言うのも嬉しい限り。
 さぁ、鈴本へ行くならば、ここのエビフライサンドがオススメだ。ぷりぷりの海老のフライが二本贅沢に使われて、ソースと千切りキャベツとの相性も抜群。こんな極上の肴に少々の酒が有れば、落語の愉しさも倍増すること間違いない。
厳選洋食さくらい 文京区湯島3−40−7 カスタムビル7,8階
03-3836-9357