111.武蔵小山インドナで、田舎に居るおふくろの味を思い出す。

インドナ

 武蔵小山の駅を降りると、何処か懐かしい匂いを感じてしまう。地方都市特有の長いアーケード街が広がって居るからだろう。僕が中学、高校を過ごした札幌の街にも「狸小路」アーケードが1丁目から9丁目までずっと伸びていた。全国、どの街にも此の様なアーケード街が有る筈だ。何処か地方都市の雰囲気を醸し出しながら、実は商店街は活気溢れており、此の地に移り住んで来る若者や新婚家庭が多いのだ。駅前からV字に伸びるムサコのアーケード街は毎日の生活に馴染んでいるのだ。
 駅前を商店街側へ出て、左側に進むと「カレーと定食の店 インドナ」の灯りが見える。
 此処はお母さんの作るカレーがホッとする味なのだ。ボテっとした黒いルゥのカレーは正に「手作り」であり、コクがある。ちょっと贅沢したい時には、チーズチキンカツカレー等も凄く美味い。また、定食も充実しているし、酒の肴に良い一品料理も多いのが嬉しい。サワーやビールなど呑みながら、法蓮草おしたしやおから煮などをつまみ、最後の〆にイカアジフライや縞ホッケ定食なんてのも良い。
 昔は、超目玉サービスと銘打った午後7時までの「カレーライス300円」が懐具合の寂しい給料日前などには泣けて来たのだが、ハテ、今でも続けて居るのだろうか。  
 仕事が遅くなったって、午前1時まで開いて居るのも素晴らしい限り。もう東京暮らしの方が長くなって仕舞ったが、地方から出て来た僕らには、こんな田舎のお袋の味を思い出す店は欠かせない存在だ。インドナは、武蔵小山ならではの庶民派の定食屋である。
インドナ 品川区小山3-14-7
03-3782-3549