124.銘菓真田幸村を食べながら、信州上田城跡の千本桜を歩く。

真田幸村

 中学生の頃、夢中になって読んだ歴史物の中でも、「真田三代記」は今でも好きな物語だ。真田昌幸、信繁、大助の三代が徳川家に挑む話だが、通称「真田幸村」と呼ばれた信繁は江戸前期、徳川家康を攻め込んだが、あともう一歩の処で力尽き「大坂夏の陣」で討ち死にした豪腕武将だ。
 続けて読んだ「真田十勇士」も凄く興奮して頁をめくったものだ。一体、何に興奮したかと云えば、真田幸村率いる忍者軍団だ。猿飛佐助、霧隠才蔵根津甚八由利鎌之助筧十蔵三好清海入道三好伊三入道望月六郎海野六郎穴山小助の十人の忍者が大活躍する話だが、丁度、白土三平の漫画「サスケ」などと重なって、放課後の空想の世界へ夢を膨らませていた時代の思い出だ。
 真田家ゆかりの地と云えば信州上田だ。桜が見事に咲き誇る上田城跡公園は真田昌幸が築城した名城の跡地に出来た公園だ。丁度、四月一杯は「上田城千本桜まつり」も催されている。毎年、真田幸村の子孫などが参加して、幸村や真田十勇士に扮して上田の城下町を練り歩く姿が壮観だ。
 此の上田市松尾町にある菓子の「昌平堂」は先代から80年も続く名店だ。横浜の銘菓「凮月堂」で修行したと云う先代はアイスクリームの開発に始まり、和洋様々なお菓子作りを学んだそうだ。人気商品は本物のシルクパウダーを用いた「絹しぼり」、「シルクくるみ」だが、其の名もズバリ「真田幸村」なる銘菓が有る。栗を餡で包み、更にチョコレートでコーティングした創作菓子なのだ。和洋折衷な味わいが珈琲にとても合う。
 真田まつりに行くと兎に角「真田」某と云う土産を沢山目にするだろう。悩んだ時は迷わず昌平堂の「真田幸村」は如何だろうか。
銘菓創庵 昌平堂 上田市中央2-2-17
0268-22-0843