128.昭和が残る中野仲見世商店街。川二郎の串焼きでちょいと一杯。

川二郎

 1985年、中野ブロードウェイの開業20周年のイベントで「次の20年後への手紙」と題して星の形をしたタイムカプセルが設けられた。あれって2005年の40周年にちゃんと開封されたのだろうか。そんな事すっかり忘れて居たが、先日、酒の前に久しぶりに中野の街を歩いたのだ。
 当時、僕は付き合っていたガールフレンドが東中野に住んでいたので良くデートなどで此処あたりを訪れていた。未だ今の様な呑んだくれ人生を歩んで居なかったので、ブロードウェイやサンモールなどの喫茶店などで健全なひと時を送っていたものだ。
 兎に角処狭しと様々な店がひしめいて居るが、中野北口新仲見世商店街あたりは昭和の匂いが色濃く残って居る処だ。路地を歩いてると、ふぅっとタイムスリップした感じになり、目の前がセピア色の写真に変わって仕舞うのだ。
 此の商店街に在るうなぎの「川二郎」はわざわざ足を運んでも惜しく無い名店だろう。漫画『美味しんぼ』の第80巻の中でも山岡が此処を訪れている程で、夕方5時半に暖簾が下がるとすぐに一杯になる程の人気店だ。
 先ずは自慢のぬか漬けとかるしうむ(鰻の骨)をアテにビールを戴く。其の間に飛び切り美味いうなぎの串焼きを頼むのである。「一通り」と云えば、ひれ、ばら、きも、れば、串巻、八幡巻の六本が出て来る。酒を焼酎に切り替え、にんにく醤油の短冊を戴こう。しかし、調子に乗って呑み過ぎは禁物だ。壁にしっかり「当店焼酎は三杯まで」と書いてある。程よく酔ったら〆にうな丼を戴いて帰ろう。
 早めに川二郎を出ても、此の街には無限大に酒場が在るのだ。うん、呑んべえにはたまらない界隈なのだ。
うなぎ串焼き 川二郎 中野区中野5-55-10
03-3389-4192