136.お伊勢参りの帰りは、へんば茶で一服。あぁ日本人で良かったナ。

へんば茶

 仕事で名古屋へ行く時は週末を利用して伊勢まで足を伸ばす事にしている。伊勢神宮へお参りするためだ。
 三重県伊勢市にある神宮は「お伊勢さん」と呼ばれ、多くの日本人から親しまれている。外宮は豊受大神宮と云い、衣食住の神様である豊受(とようけ)大御神を祀っている処であり、内宮は天皇の祖先にあたる神の天照(あまてらす)大御神を祀っている処だ。
 お伊勢さんに来ると先ず外宮ではお参りの前に手水舎で手を洗い、口をすすいでから、日除橋を渡る。神宮の森を抜けると御正宮に出るので、此処でお参りをする。
 おはらい町の伊勢うどんで腹ごしらえをしたら、内宮へ向かうのだ。宇治橋から大鳥居を望むと息を吞む美しさだろう。内宮では五十鈴川の神聖な川の水で心身を清めて、内宮御正殿へお参りに向かうのである。神社でのお参りの仕方は二礼二拍手してお祈りをし、もう一度一礼する。
 こうして日本人の心の神様をお参りしたら、ゆったりとした時間を過ごそう。此処伊勢には或の赤福の他にも、「へんば餅」「へんば茶」と云う名物が有る。へんばや商店は参道沿いに二百年以上も店を構える和菓子の老舗だ。
 漉し餡を包んだ餅を鉄板で焼いて綺麗な焼き色が付いたお菓子と其の味を際立たせるお茶だ。「へんば」とは昔、馬でお伊勢参りをした旅人が宮川から舟に乗るため、此の場所で馬を返した事に由来するそうだ。通りを行き交うお伊勢参りの人々を眺めながら、お茶を一服すれば日本人に生まれて良かったとしみじみ感じる事だろう。
へんばや商店 本店 三重県伊勢市小俣町明野1430-1
0596-22-0097