146.美女は筑紫楼のフカヒレで、手軽に美肌をキープして欲しいね。

フカヒレそば

 「筑紫楼」はもう随分前から、フカヒレが食べたくなると通っていた。まだ恵比寿東口の古い店しか無かったが、恵比寿南のラブホテル街に瀟洒な佇まいの立派な店舗を構え、いつのまにか向こうを本店にしていたのだ。
 今思うと、あの頃な随分と長閑な時代だったのかもしれない。入口前の細いアプローチには大小様々のヒレが無造作に干して有ったっけ。番をする人など居なくて、雑然と干してあったが誰も盗む人も出なかった。それが今では筑紫楼も丸の内や銀座、日本橋と店舗を拡大し、仰々しく額に入った立派なフカヒレをエントランスに飾って居るではないか。
 フカヒレと言っても、実はフカでは無く鮫の尾ひれか背びれの事だ。唐の時代、世紀の美女と崇められた楊貴妃が美肌を守るために好んで食べたのがコレだったそうだ。低カロリーで、コラーゲン、コンドロイチンたっぷりのフカヒレは、正に女性の強い味方なのである。
 気仙沼から直送される吉切(よしきり)鮫のヒレを手間を惜しまず数日間かけて戻してから調理しているので下手な香港あたりのレストランで食べるよりも美味しいかもしれない。最近ではフカヒレの入手も困難になって来たと聞くが、此処でもヨシキリ鮫以外に毛鹿(もうか)鮫や青鮫、またメジロ鮫の尾びれや背びれを仕入れており、姿煮やステーキなどで味わう事が出来るのだ。
 初めてならば、広尾店に在る「筑紫楼」のランチがお薦めだ。1,500円で、なんと8品も付いて来る。此のフカヒレ煮込みをご飯に掛けて食べるのが美味しいのだ。だが、僕は昔の本店時代から続く「ふかひれと蟹肉入り煮込みそば」がたまらなく好きなのである。
筑紫楼 渋谷区広尾 1-1-39恵比寿プライムスクウェアプラザ
03-6419-2946