156.恵比寿駅スグの大衆酒場は、オバちゃんの笑顔でホっとする。

酒蔵丸福

 恵比寿駅を降りて、「さいき」で一杯と思って信号を渡った。今日もきっと混んでいるだろうなぁと躊躇しつつも、玄関越しに中を覗くと案の定カウンターもテーブル席も一杯である。本当にいつも繁盛している居酒屋だな。
 良い居酒屋は混むのである。そして居心地が良すぎて、皆長居して仕舞うから厄介ものだ。こんな時は駅に近い酒場に限る。改札に近い店は仕事帰りにちょいと立ち寄る客が多いので、入れ替わりも早いのだ。そんな訳で恵比寿駅の改札から数十秒の処に暖簾を出している居酒屋へ舞い戻ってみた。
 「酒蔵 丸福」からは「ごちそうさま〜!」の声と共に数人が出て来たところだった。タイミング良くテーブル席へ座ることが出来た。此処は手頃な値段で旬の美味しい魚介を肴に酒を愉しめる大衆酒場である。
 まずは、冷たいビールにかんぱちの刺身とマテ貝焼きを頼む。かっぽう着のオバちゃんが愛想良く「はい!かんぱちく〜ん!」と刺身を持って来るのが妙に和むのだ。しかし、こう蒸し暑いとビールが一気に喉に消えて行く。マテ貝も香ばしく美味い。
 夏も近づき、今が旬のアオリイカが食べたいと思ったが、この日はスルメイカが入っていた。スルメイカも夏が一番美味しい時期なので、迷わず刺身を頂いた。運んできたオバちゃんから「今日のイカいつもより値が張るけどごめんねーっ!」と出されてから云われて仕舞った。サっと呑んでお会計をしたら、先程のオバちゃんソロバン弾いて「はいっ、二千三百万円!」って、なんともお約束なフレーズにリラックス度全開になったのだった。
大衆酒蔵 丸福 渋谷区恵比寿1-8-14
03-3446-9471